さて前章でも少し触れたが、パリには赤線と言える地域が2か所見られる。1つは先ほどのPigalle地区、そしてもう1つが今回のコラムの舞台となるBois de Boulogneである。日本語に訳すと「ブローニュの森」であり、なんとなく耳にしたことがあるという方も少なくないと思う。
フランスが誇るフォンテーヌブロー派の一大勢力を生んだ「フォンテーヌブローの森」はフランスのルネサンス文化を育んだ一帯であるが、「ブローニュの森」は破廉恥な性の樹海として世界にその名を発信している。
コスモポリタン都市パリの中心部では、ネット経由のエスコートやナンパを介してのセックスくらいしか期待出来ないので、多くの観光客達は高級住宅街パリ16区にあるブローニュの森を目指すのである。