風俗嬢が抱える問題の底に見え隠れする甘えの構造

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「体力的にもだんだん保たなくなってくる」 全国に30万人がいるとされている風俗嬢。収入・体力への不安、社会でのポジション、そして多くの女性が一度は考えるであろう結婚・出産。1日に5万円を稼ぐことができるとも言われる一方、風俗嬢たちはさまざまな悩みを抱えながら働いているのだ。AbemaTVでは、そんな彼女たちの本音を取材した。 都内のデリヘル店に勤めて2年が経つサキさん(38歳、仮名)。指名が入ればホテルや待ち合わせ場所へと向かうが、お客さんが付くまでは事務所ただ待つだけ。 「仕事してない間は携帯もいじれるし、テレビも見ていられる。お昼寝することもできる。9時間ずっと忙しいということはないです」。 90分コースの場合、料金は1万7000円。このうち、店には6800円が入り、サキさんの手元には1万200円が残る。お客さんがゼロの日もあれば、4、5人のお客さんから指名が入ることもあるため、月の収入は「一番少ない時で月15万円ぐらい。いいときで35万円ぐらい」。 サキさんが"夜の仕事"に足を踏み入れたのは18歳、キャバクラで働き始めた時だ。今は風俗と掛け持ちしている。 デリヘルを始めた理由についてサキさんは「キャバクラだけでも生活はできるけど、歳も歳ですし貯金もしたいので。昼間の時間を有効活用できる仕事で、少しでも多く稼げるほうがいいと思って」と説明する。 そんなサキさんにも不安はあるという。「休んだら1円にもならない仕事。。夜中の2、3時に帰ってきて、朝11時出勤。年齢のこともあるし、体力的にもだんだん保たなくなってくると思います。この先そんなに長く続けられる仕事ではないと思っています」。 一生続けられる仕事ではないと理解しながらも、今のところ風俗の仕事をやめる気はない。「お店で必要とされなくなった時には…。結婚も考えていますし」。 ■「結婚しない限りは風俗をやり続けている姿が思い浮かぶ」 アヤカ(26歳、仮名)さんも、デリヘルで働く風俗嬢。ピーク時には月に40万円を稼ぐこともあるという。風俗の仕事を始めたのは18歳のとき。「友達がやるって言うので、心配だから一緒にやるよって」。何をするのかもわからない状態で「なんとなく」だったと振り返る。ほぼ毎日のように事務所の待機所にいたこともあり、「年末など、忙しい時期には1日で10万円を超えていた」と話す。風俗店の繁忙期は年末・GW・夏休み。休暇に入った学生がアルバイトとして働くケースも多く、"新人ブランド"目当ての客が増えるからだ。 アヤカさんが"仕事場"として案内してくれたのは、綺麗なホテル。「ここは女の子たちも行きたがるホテル。食べないで仕事していると、お客さんの前でお腹が鳴る時がある。そんなときは、『延長してあげるから好きなもの食べな』って言われます」。 終始明るい様子のアヤカさんだが、風俗嬢という立場には不安も感じている。彼女たちが最も恐れる"身バレ"だ。 「久々に会う友達とかに『今なにしてるの?』と聞かれると、答えに困ることが多かった。もし話したら、友達が全員離れていくんじゃないかとか、男友達に『じゃあやらせろよ』と言われるんじゃないかという不安があった」。 風俗の仕事をしていることを誰にも言うことができない苦しさや不安を常に抱え、昼間は周りの目が気になっているのだという。また、年を重ねる毎に居場所がなくなっていくように感じている。 「『若い子がいいから』ってお客さんが離れて行くので、指名されないことも結構ありますね。年を取るにつれて予約が入らなくなってくるので、生活を考えると焦りしかなかった」。 それでも「結婚しない限りは風俗をやり続けている姿が思い浮かぶ」と、"夜の仕事"を続けている。 風俗嬢の相談事業などを行っている一般社団法人、Grow As People代表の角間惇一郎氏は「給料という形で認識されているケースが多いが、風俗の仕事は"給料"ではなくて"報酬"。動いた分だけ成果が出る。スポーツ選手と構造が近い」と説明する。さらに角間氏は「万が一お客さんがつかなかった場合、風俗嬢にとっても良いお店では無くなってしまう。そこで"最低保証"と謳って、お客さんが0だったとしても2、3人付いた分の金額が支払われるよう配慮しているケースもある」と話す。 「年齢別・風俗嬢の1日の収入と月間出勤日数」(Grow As People調べ)では、18~22歳が5万1200円/16日、23~27歳が4万6500円/12日、28~32歳が3万8400円/13日、33~37歳が3万450円/13日、38~42歳が2万6600円/10日、43歳以上が2万6000円/7日となっている。この傾向について角間氏は「収入が減るのは年をとったことで市場価値が下がったのではなく、体力が落ちて出勤日数が減るから。若い子だったら生理日であっても出勤するが少なくないので、相対的に出勤日数が増える。これも野球のピッチャーと一緒で、若いと登板回数が増えるから勝ち星も増えるということ」と説明する。 ■"身バレ"への恐れがセカンドキャリアへの大きなハードルに アヤカさんは今、Grow As Peopleの支援を受け"昼の仕事"への挑戦をスタートさせている。 "昼の仕事"を始めて一ヶ月。当初、"出れば出るだけ稼げた"夜の仕事とは異なり、「8時間も働いてこれだけしかもらえないの?」と感じたという。「慣れないし、疲れる。働き始めたばかりの頃は嫌になった」と、相談相手の角間氏に不満も漏らしたが、それでも初めての給料日には「『これだけもらえるんだ』って思った」と達成感を口にした。 ピーク時には、毎日のように風俗の仕事をしていたアヤカさんだが、現在は2週間に1回程度にまで減らし、セカンドキャリアに向けて一歩ずつ歩き始めている。 角間氏は「実は金銭的に困っているという相談は多くない。むしろ周りの人に言えないとか、言ったところで退職を勧められるなど望んでいないリアクションをされるケースも少なくない。"受け止める”ことが必要だ」と話す。また、「"風俗嬢をやめた状態"とはどういうことを指すのか。例えば、1ヶ月に1回しか出勤しない子は風俗嬢と呼べるのかどうか」と問いかける。 支援を受け、昼の仕事に完全に移った女性もいる。現在は商社で働いているマユコさん(27歳・仮名)もその一人だ。4年前、知人の紹介で風俗の世界に足を踏み入れたが、20代後半を迎え結婚・出産を意識。昼の仕事へ移ることを決意した。 しかし、いざ就職活動を始めると、大きな壁にぶつかった。ここでも"身バレ"への恐れがセカンドキャリアへの大きなハードルになったのだ。「"風俗の仕事をしていて、こういう経緯で来ました"というのは言うつもりもないし、言えない。バレたらどうしようかと、自分で自分を苦しめていました」。 人一倍真面目で頑張り屋のマユコさんは、悩みながらも企業研究や面接対策に取り組み、半年後、今の仕事に就くことができた。収入は3分の1に減ったが、それでも"夜の仕事"に戻る気はないと断言する。 「すぐに前みたいな生活に戻ったら、応援してくれた人を裏切ったも同然という感じがする。また振り出しに戻って、同じことの繰り返しになるだけだと思うから」。 ■「誰にも言えず孤立することがまずい」 "元風俗嬢"を受け入れている企業の社長は「私自身、学生時代にちょっとヤンチャしていたので、学歴がないために資格が取れないという経験をした」と話し、「過去に何かがあって踏み出せずいる人にもバイタリティは必ずあるし、また力を発揮することができるのでは」と、支援を名乗り出た理由を説明する。「当社がきっかけとなってお金を稼ぐ。そして、仕事を通して何かを得るということを学んで、感じて成長していってほしい」と昼の仕事に移った女性たちにエールを送る。 Grow As People代表の角間惇一郎氏は「単純に夜の世界を辞めさせたからといって、彼女たちがハッピーになるといった保証はない。そうではなくて、一人で悩まなくていい仕組みを作ることが大事」と話す。また、「昼の仕事さえあれば救われるのかといえば、実はそうではない。大事なのは理解してくれている人が何人いるか。夜の仕事が"悪い"、昼の仕事が"良い"ではなく、誰にも言えず孤立することがまずい」と指摘した。(AbemaTV/『AbemaPrime』より) (出典元:AbemaTIMES)
この手の問題を取り上げた記事は、ネットで幾度か目にしたことがある。総じて思うのは、全体的に甘えが目立つということで、しかも記事はその甘えを助長するような内容になっている場合が多い。 上記の記事の中に、「(風俗は)休んだら1円にもならない仕事」とある。そんなの風俗に限ったことではない。自営業やお店をやってる人やガテン系など、多くの人が休んだら1円にもならない仕事をコツコツ頑張っている。まるで、自分だけが休んだら1円にもならない仕事で不幸だと言いたげだが、これではあまりにも現実を知らなすぎると言わざるを得ない。 「お店で必要とされなくなった時には…。結婚も考えていますし」 ここにも甘えを感じる。まるで、現実から逃避して結婚に逃げ込もうとするみたいで、ひどい話だと思う。こんな女性と結婚する男性こそいい面の皮だ。 「久々に会う友達とかに『今なにしてるの?』と聞かれると、答えに困る」これも甘えだ。風俗のことを隠したいなら、別の職業を名乗ればいいだけの話ではないか。キャバ嬢とかホステスとか言っておけば、それ以上追求されることはない。こんなことで悩んでいるとか、つらいとか言うこと自体おかしいと気づくべきだ。 また、風俗嬢は年を取ると仕事がないというが、それは風俗嬢に限ったことではない。長引く不況のせいで、多くの職業がそういう状態に陥っていることを知ったほうがいい。 コンピュータ・プログラマーやシステムエンジニアには、40歳の壁がある。40歳を過ぎると肩身が狭くなり、「嫌なら辞めてもいいよ」という風が吹き始める。その結果、辞めていく人も多い。コックも50歳でリストラを迫られるケースが多いという。年を取ったことで仕事が減ったり疎外感を味わうのは、風俗嬢だけではない。 まずそういう世の中の現状を知ることが大切だし、風俗嬢を支援する側も、苦境にあるのは風俗嬢だけではないという現実を教えてあげるべきだと思うのだが、それはなされているのだろうか。 記事に出てくる風俗嬢たちは、「自分たちだけこんな目に遭っている」という被害者意識から抜け出せずにいる。しかし、世の中みんなそうなんだとわかれば、被害者意識もなくなり考え方もおのずと変わってくるものだ。それはかなり重要なことで、風俗嬢を支援するなら、まず最初にこれを教えてあげるべきである。 「収入が減るのは体力が落ちて出勤日数が減るから」 そもそも、支援グループの代表がこんなことを言っているようではおぼつかない。風俗店は、人気のある風俗嬢を多く出勤させる。そうしないと客は来ない。人気があるのはたいてい若い女の子だから、年を取ると出勤日を減らされるのはしかたがないことだ。つまり、出勤日数が減るのは体力の問題以前に、店にシフトを入れてもらえないからだ。 この代表は、風俗業界の現実をわかっていないようだが、これで本当に風俗嬢を支援できるのだろうか。