2019年07月20日 風俗部ニュース PR
「出産費用がないんです」 ×月×日。 今日は妊婦さんや出産後の母乳ママが働く某店を取材。現れたのは20歳の妊婦はるかさん(仮名)。現在妊娠7か月だという彼女のお腹はぷっくりと膨らんでいる。 色白で幼い顔立ちのはるかさんの表情に変化が現れたのは、私からある質問を受けた直後だった。 いきなり目のふちに涙が浮かび、頬を伝ってぽろぽろとこぼれ落ちたのだ。彼女は涙声で呟く。 「やりたくてこんな仕事をするはずないじゃないですか……」 私が彼女にぶつけたのは、「風俗で働くことに罪悪感はある?」という質問である。 「普通に昼の仕事だけで出産費用が貯められたらいいけど、妊娠しちゃって働けないでしょ。だからこんなことしたくないけど、仕方なくやってるんですから。もうほんと、こんな仕事やりたくない」 はるかさんはそう続けると、両手で顔を覆った。こういったインタビューを20年以上やっているが、女の子が目の前で涙を流したのはこれが初めてのことだ。 夫にも誰にも話せない 1年前に結婚したという土木作業員の夫は彼女と同じ20歳。はるかさんも同じ職場で働いていた。しかし妊娠によって仕事を失い、家計は夫の手取りで20万円にも満たない収入で賄わなければならなくなった。 「お店ではお客さんが平気で指を入れてきたり、本番なんかも強要してくるんです。もちろん断ってますけど、そういうのもいや」 お互いの両親に頼れないのかと訊くと、夫は母子家庭でまだ小さな弟と妹がいるために無理で、彼女も両親の反対を押しきって結婚したため、頼ることができないという。 「もうちょっとだけ、もうちょっとだけのガマンだって自分に言い聞かせて働いてます。臨月の前までには絶対にやめるつもりです」 夫には飲食店で働いていると話しているそうだ。風俗での仕事については、「誰にも話せません」と言い切る。そんな彼女に、とてもではないが「頑張って」と気楽に声をかけることはできなかった。 (日刊SPA!)